小学2年生の女の子がレッスンに来ています。その女の子はとても感性が豊かで、喜怒哀楽がはっきりしていて、とても自然な子です。

その子は2ヶ月ほど前からあまり練習をしなくなってしまい、私にきつく言われることもありました。その頃は彼女も必死で、何か注意されてもぐっとこらえて、ときには涙が出ることもありましたが、我慢して練習を続けました。

その辛い約2ヶ月間を経て、自分なりのやり方を少しつかんだようで、今はわりと楽しくレッスンに来ています。

彼女は周りの子の状況をよく気にするタイプで、とくにあるお友達のことを気にかけていました。そのお友達の写真を撮って欲しいとお願いされたのですが、「そのお友達は今ぐっと我慢してる時期だから、写真を撮ってる場合じゃないんだよ」と笑いながら説明しました。

するとその女の子が、

「私が持ってた怒られちゃうやつを、今はその子が持ってるんだね」

と言ったのです。

そして「そのお友達が持ってるから、私は今ピアノが上手になったんだね」と続けました。

苦労を乗り越えて得られる喜び――それが成長なのですが、そんな言葉を知らなくても、子どもの口から自然に出てきたのがとても嬉しかったです。私の思いが伝わったのだと感じました。

苦しいからやめるのではなく、苦しいけど頑張る。グッと踏ん張る時期も必要だということを、ピアノを通して学んでほしいと思います。

もちろん、苦しい時は本当に辛いので、私も厳しくなりすぎないように気をつけます。もともと愛はあるのですが、その愛をちゃんと伝えながら接していきたいと思います。